英国初等学校の創造性教育(上)(下)」

一般教養新書英国初等学校の創造性教育(上)(下)」

〜Anthony Wilson (著, 編集), 弓野 憲一 (監修, 翻訳), 渋谷 恵 (監修, 翻訳) 〜

  • 著者:Anthony Wilson (著, 編集), 弓野 憲一 (監修, 翻訳), 渋谷 恵 (監修, 翻訳)
  • 新書: (上)250ページ、(下)219ページ
  • ISBN-13:(上)978-4903859286
  • ISBN-13:(下)978-4903859293
  • 発売日: 2008/8/1
  • 定価:各1,050円

地球温暖化、オイルの高騰、食糧危機等々、グローバリゼーションの進んだ今の世界は、従来にはなかった「問題解決」が求められている。一人ひとりの日常的な生活においても、事は同じである。仕事等において、これまでのやり方では処理することのできない様々な問題が発生する。このような社会に生きる人々の教育には何が必要なのであろうか。それは、英国政府が出した教育白書の下の一節に的確に表現されている。 「21 世紀の成功のたに私たちが準備しなければならないとするならば、それは単なる読み・書き・数のスキルを向上する以上のものでなければならない。全ての子どもの才能を認め、さ らに全ての子どもが持っている卓越性を開花できる、幅広く柔軟な教育、さらには動機づけを高める教育が必要である(Whitepaper ; Excellence in Schools, 1997)」。 「読み・書き・数のスキル以上の教育」には、何かが含まれるであろうか。不確かな未来を切り抜けていく力として、「創造性」は欠かすことの出来ない学力の一つであろう。英国では教育白書の趣旨に沿って、「創造性と文化の教育に関する国家勧告委員会」が結成され、242 ページに及ぶ答申を出している(All Our Futures : Creativity, Culture and Education, 1999)。そして、2000 年より小学校段階からの創造性教育が開始された。 監訳者の一人である弓野は、日本においても「創造性教育」が必要と考えて、2003 年より小中学校に導入された「総合的学習の時間」において、いかにして創造性を伸ばすのかを具体的 に示した『総合的学習の学力」(明治図書)を刊行した。さらに2世界の創造性教育の専門家を集めて、『世界の創造性教育』(ナカニシヤ出版)も出版した。日本、台湾、中国、米国、英国、 カナダ、ドイツ、フィンランドの創造性教育がまとめられている。日本を除く、世界の先進国は学校における創造性教育を非常に大切にしている。特に英国では、2000 年より、政府が後押 して、公立の小中学校に創造性教育を精力的に導入し始めた。 本書は、英国の創造性教育を牽引している研究者が、それぞれの専門領域において、いかにして初等教育段階の子どもの創造性を伸ばすかを提案したものである。全ての教科が網羅され ている。 遅ればせながら日本においても60 年ぶりに「教育基本法」が改正され、教育の目標の第二番目に「個性と創造性の育成」が掲げられた。日本の学校にも、やがて創造性教育が導入されると思われる。そのような状況において本書が教育実践を支援することを願っている。訳に関しては、それぞれの翻訳者が訳をしたものを監訳者が細部まで目を通して訳語と表現を出来る限り統一した。ただし、本の内容が英国の初等教育全般に及ぶために、誤訳の可能性を消し去ることはできなかった。誤訳に気づかれた読者からのご指摘をお願いしたい。

著者について

弓野 憲一
静岡大学教育学部教授 監訳、および 第1 章、第2 章、第7 章担当 1945年福岡県に生まれる1977年九州大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満了現在 静岡大学教育学部教授(教育学博士)
渋谷 恵
常葉学園大学教育学部生涯学習学科准教授 監訳、および 序章、第12 章、第14 章担当 1965年山形県に生まれる1997年筑波大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学 現在 常葉学園大学教育学部生涯学習学科准教授(教育学(修士))
中野 左知子
静岡県立大学カウンセラー 北米ドラマセラピー協会認定ドラマセラピスト 第3 章,第9 章担当 1999年ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校Drama and Theatre Studies 卒業 2004年CIISカリフォルニア統合学研究所 カウンセリング心理学・ドラマセラピー修士号取得卒業 現在 静岡県立大学カウンセラー、NPOこころのケアグループ副理事。日本ドラマセラピー研究所設立メンバー。常葉学園短期大学非常勤講師。様々な施設でドラマセラピーを担当するほか、演劇講師、演出家としても活動している。
矢野 淳
静岡大学教育学部准教授 第4 章、第5 章担当 1964年東京都に生まれる1996年東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修了中・高等学校の英語科教員を経て現職。専門は英語教育学。現在 静岡大学教育学部英語教育講座准教授(教育学修士)
内田 恵
静岡大学教育学部教授 第6 章、第10 章担当 1955年静岡県に生まれる1985年東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了 現在 静岡大学教育学部英語教育講座教授(文学修士)
平石 徳己
久留米信愛女学院短期大学ビジネスキャリア学科教授 第8 章担当 1951年鹿児島県に生まれる1980年九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得満了 現在久留米信愛女学院短期大学ビジネスキャリア学科教授(文学修士)
山浦 一保
静岡県立大学講師 第11 章担当 1972年福岡県に生まれる 2005年広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期修了 現在静岡県立大学経営情報学部講師(博士(学術))
益川 弘如
静岡大学准教授 第13 章担当 1976年広島県に生まれる 2003年中京大学大学院情報科学研究科博士課程単位取得満了 現在静岡大学教育学部准教授(博士(認知科学))

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