浜松地域の産業創成における産学官金連携と報徳思想-光産業創成に向けた考察と実践-

浜松地域の産業創成における産学官金連携と報徳思想 -光産業創成に向けた考察と実践-
川村 哲也 (著)

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  • 本体価格 2,000円(税別)
  • 単行本: 280ページ
  • ISBN-13: 978-4864741750
  • 発行日:2023/6/1

著者紹介

川村哲也 かわむらてつや
1938年11月静岡県浜松市に生まれる。1957年3月静岡県立浜松商業高等学校卒業後、日用品・履物卸売業林屋本店に入社、1998年11月同社定年退職。この間、慶應義塾大学通信教育部文学部(西洋史専攻)に在籍。
1965年4月慶應義塾大学よりスタンフォード大学へ短期留学。1985年3月慶應義塾大学通信教育部文学部卒業。
1998年12月千代田工業株式会社入社、1999年5月同社退職。
1999年10月静岡県労働金庫湖西支店入社、2004年5月 静岡県労働金庫湖西支店退社。
2004年7月浜松西社会保険事務所入所、2006年3月同所一時離職、2006年9月復職、2008年9月同事務所退所。
その他経歴
1999年一般社団法人中高年齢者雇用福祉協会生涯生活設計主任講師として登録、2022年同会退会。
2006年4月~8月財団法人愛知県母子寡婦福祉連合会講師。
2009年10月浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)非常勤講師(担当「キャリア形成論」)。
2016年4月一般社団法人西遠連合報徳社(静岡県浜松市)社員。2022年4月公益社団法人大日本報徳社(静岡県掛川市)社員。

内容紹介

浜松地域の産業は、なぜ停滞を続けているのだろうか。1998年に定年退職してから、この疑問が私の頭から離れませんでした。

そこで、浜松地域の産業創成の歴史を明治時代初期まで遡って調査しました。その結果、浜松地域は二宮尊徳翁の報徳思想が豪農・豪商たちに受け入れられ、報徳運動が最も盛んに行われた地域であり、彼らによって金融機関や企業が設立され、産業創成が行われていたことが明らかになりました。それは、産学官金が連携していたというよりも「一円融合」していたといえる社会といえるものでした。

さらに報徳思想は大正時代、昭和時代初期にかけて浜松地域に限らず全国的に普及していきました。特に、戦前には新興報徳運動として政府の政策と連携しながら、学校では報徳教育(道徳教育と勤労教育)が行われ、町内会や隣組単位で報徳思想に基づいた常会が開かれていました。さらに、工場や商店などでは、報徳思想に基づいた経営が指導されていました。戦後の復興期・高度成長期に産業を創成された方々が戦前にこうした報徳教育を学校または各地域や職場の常会で受けていたのです。この報徳教育を受けた人たちによって戦後奇跡の復興が成し遂げられ、今日までの日本の繁栄に繋がっていると考えられます。

終戦とともに報徳教育が禁止され、高度成長時代を経て安定成長期になる頃には、産業の担い手は報徳教育を受けていない世代になりました。バブル崩壊後、国策によって産学官金連携が積極的に実施されるようになりました。しかし、その後30年以上に及ぶ停滞が解消されないまま今日に至っています。

本書は、産学官金連携と報徳思想の概念を手がかりに、明治初期から今日までの浜松地域における産業創成の成功要因(特徴)を6つの時代区分に分節して分析・考察した歴史研究です。研究の結果、上記で述べた通り、浜松地域の産業創成には報徳思想とその実践である報徳仕法が重要な役割を演じていたことが明らかとなりました。また本書では、そこから、浜松地域の今後の産業創成、特にこれからの地域産業を牽引していく産業の1つである光産業の創成に向けての提言を述べています。

ぜひとも産学官金の関係機関の方たちと一緒に活動して、産業創成に貢献したいと考えています。