本書は、人生の後期において、あるいはそれを前にして、年齢や生きる過程をあらためて考える契機になることを目指している。
人生の後期には、身体機能の低下、子どもの独立、定年退職などにより、さまざまな変化が生じてくる。
変化にともなう選択肢は多様である。
そこで、高年齢者をめぐる社会の仕組み、選択肢を実現するための条件と課題、引退前の務めとしての次世代育成など、職業と生活を中心に、人生の後期を見つめてみたい。
年齢という属性や生きる過程がもつ意味を見いだしていただければ幸いである。
秋山 憲治(あきやま けんじ)