マーケティング(市場創造活動)の基本は「価値の交換」、つまり「与える」「与えられる」という行為で、社会には欠かせないものです。
私は、マーケティング事業のプロデューサーという職業を経て、現在は大学教員をしていますが、大学生の就職活動やキャリア開発支援をする上で、 マーケティングのロジックを応用することの重要性を感じています。
キャリア教育とは、学生に働くことの意味を考えてもらい、社会の仕組みを知り、経済的にも精神的にも自立させ社会に送り出すことです。それは大 学の役割責任です。
学生が企業を適切に「選ぶ」ことはもちろん、「選ばれる」ためには、社会に興味関心を強く抱いて「関わっていく力」を養うことが重要です。言い 換えれば、近年盛んに言われている「人間力」を養うということになると思います。
複雑化する社会の中で、人々は「働く」という行為に対して様々な欲求を持っています。ますます個性化、多様化して来た状況下でどうしたら最適な 職業選択が出来るか、そしてその職業を通して充実した生活が営め、達成感が得られるかどうか、大学生ともなると是非考えなければなりません。
本書では大学から始まる学生のキャリア・ビジョンをマーケティング理論で読み解き、これから変わっていく大学と学生をしっかりと認識し、学生の 人生においてのテーマやビジョンを意識して日常を送ることの大切さを訴えています。
小森 一平(こもり いっぺい)